誰よりも遠くへ

川の流れに逆らって

9月入学について。

政府が本格的に『9月入学』を検討しているというニュースが入ってきた。ここ数日、かなり全国紙でも9月入学に関する記事は目立っていたし、政府も選択肢の一つとして検討しているみたい。

先に行っておきますが、僕は9月入学に大賛成。何なら一年伸ばしてほしい。あと大学無償化してほしい。2億円くらいほしい。

僕の大学では4月の下旬からオンライン授業が行われていて、教授も学生も大学側も試行錯誤しながら、なんとか授業は受けられるようになっている。元々一方通行型の講義が多い学部だから、普段の授業とあまり質は変わらないと思う。好きな時間に受けられるし、電車に乗って大学に行く必要もないし、はっきり言って普段より楽。

 

だとしても。僕は今年度を半年、または一年延期するべきだと考えている。

 

確かに僕自身はオンライン授業に対応できている。でもそれは、僕には個人用の優秀なパソコンがあって、オンライン授業に協力してくれる母親がいて(オンライン授業準備のために、今までなかった僕の部屋をベッドを買って作ってくれた、ありがとう)、講義について話せる友達がいて、感染リスクの高いバイトをする必要がないからだ。それに、大学はそれなりにオンライン授業に対応できている。サークル活動も特にしていないし、教材を通販で購入する金銭的余裕もある。あくまで、僕がたまたま環境に恵まれていたから、僕は困っていないだけだ。 

高校生はどうだろう。僕はある、9月入学反対派の高校生のツイートに衝撃を覚え、つい反応してしまった。

 

彼は私立高校に通っている受験生で、9月入学に変える必要はないと主張している。高校生でこれだけ自分の主張を簡潔にまとめることができる事自体はすごいと思う。でも僕は、どうしても彼のこの発言が引っかかってしまった。

 

「学校毎の授業内容の差は元々存在します。勉強してる人はどんな環境でも勉強しています。なぜこの期間勉強しなかった人に合わせて全員が留年しないといけないんでしょうか?」

 

 

この期間、勉強しなかったやつははたして自己責任なのだろうか?僕は思わず引用リプをしてしまった。迷惑ならブロックしてくれ。

 

(僕含め)自宅でオンラインで勉強ができる人間は、間違いなく恵まれている。少なくとも塾や大学には問題なく通えているし、オンラインで授業が受けられるデバイスを所有しているし、勉強できる机があって、環境があって、時間がある。でも世の中には、オンラインで授業が行われていない高校もある。塾や予備校に通えない受験生も大勢いる。感染リスクのあるバイトをして家計を支えなきゃいけない高校生だって、全国にはいくらでもいるだろう。彼らの中には勉強ができるやつもいて、環境をもろともせずに受験戦争を勝ち抜くやつもいるだろう。でもそれはほんの一握りで、多くの受験生は環境に振り回される。恐ろしいほどに振り回されてしまう。

だからこそ、僕たちは、恵まれている学生である僕たちは、自分の運の強さを自覚しなくちゃいけないと思う。間違っても、今回の教育危機でひどい目に遭ってる同世代の高校生に対して自己責任を振りかざしてはいけないと思う。僕たちは真の平等をめざすことはやっぱり出来ないけど、チャンスを平等にすることはできると思うし、僕は政治に「教育機会の平等」を死ぬまで求め続けたい。

 

「なぜこの時期に勉強しなかったやつに合わせなくちゃいけないのか。」彼が自分なりの答えを見つけられることを、僕は願う。

 

一方で、こうやって「教育の権利」について考え始めている高校生もいる。きっとこの暗い時代が終わったら、明るい僕たちの時代がやってくることを信じたい。

 

おすすめの曲です。


Have a Nice Day!(ハバナイ!)- 僕らの時代【MV Edit Version】